みなさんこんにちは。
久々の更新となってしまいました(^^;
今月18日に、全国新酒鑑評会の審査結果が発表になりました。昨年は金賞をいただきましたが、今年は惜しくも入賞止まり。来年は再び金賞を取れるよう、がんばっていきたいと思います。
日本酒の世界でも様々な鑑評会やコンテストが開催されていますが、全国新酒鑑評会はその中でも別格の存在で、そこで金賞を取ることが造りにかかわる人たちにとって最高の名誉とされています。
「鑑評会出品酒って、市販酒と全然味が違うんだから金賞取ったって意味ないよね~。」
と、おっしゃる方もいらっしゃいますが、鑑評会出品酒を造る技術は少なからず市販酒にもフィードバックされています。それを感じることは難しいかもしれませんが、軽自動車にだって僕たちが気付かないところでF1の技術が生かされているんです。
また、「鑑評会出品酒なんて、あんなどれも似たようなもの造る必要あるの?もっと蔵の個性を重視したらいいのに。」
と、おっしゃる方もいらっしゃいますが、個性に優劣は付けられません。『自ら狙ったストライクゾーンに、いかに近いものを造ることができるか』が大事なのです。ストライクもわざと外したボールも、両方狙って投げられるのと、ストライクが取れなくてボールなのとでは雲泥の差。コントロールが良いということは、あえて外した個性的な純米酒やレギュラー酒の造りにも大いに生かすことができるということです。
もちろん『鑑評会で金賞を取ること』だけがストライクではありません。我々蔵元は、しぼりたてのフレッシュな生原酒や熟成して3年後においしくなるように仕込んだ純米酒も、飲まれるシチュエーションに狙いを定めてストライクを取れるよう、日々努力しています。
今回はボールだったのに偉そうなことばかり申し上げました・・・。来期がんばりますm(_ _)m
写真はもろみを布製の袋に入れてタンク内に吊し、自然の重力によって滴ったお酒のみを集める『袋吊り』の様子。
『袋吊り』によって贅沢に搾られたお酒は、この斗瓶と呼ばれる大きな瓶に集められ、その後、オリ下げ→瓶詰め→火入れ→貯蔵→出品となります。火入れのタイミングや火入れ後の冷却方法・貯蔵温度によって、その後の酒質は良くも悪くもなります。