みなさんこんにちは。
12月は日本酒が最も消費される月で、酒造りも同時進行。造り酒屋にとっては最繁忙期となります。忘年会シーズンでお酒を飲む機会も増えますが、そんな時こそお燗酒でしっぽり...なんてのもいいものです。
でも「え~お燗酒~?」と眉をひそめる人も少なくないのが現実。
~お燗酒の悪いイメージ~
■ おっさん臭い
■ 安酒
■ 単純にマズい
■ お燗にするのは悪い酒 etc
昔の粗悪な安酒を熱燗にして悪酔いしていたアル中オヤジのイメージを未だに引きずっているように感じます。
でも、現代においては酔うための安酒だけではなく、味わうための嗜好品としての日本酒もたくさん出回っています。今回は後者についてのお話です。
「いい酒=お燗しても大丈夫」
とおっしゃる方をたまにお見かけしますが、そもそも「いい酒」の定義が曖昧なので一概には言えません。スポーツカーは大きい荷物は運べないけど速くて運転が楽しい「いいクルマ」ミニバンはスポーティーではないけど人や荷物をたくさん運べる「いいクルマ」どっちも「いいクルマ」ですが、全然違いますよね。
そして、日本酒のお燗への向き不向きは確実に存在します。
思いっきりざっくりです。もっと細かい違いもあります。どっちがいい悪いではありませんし、日本酒が必ずこの二種類に分けられる訳でもありません。あくまで極端な例です。
また、大吟醸だから香りが高くてお燗に向かない、純米酒や山廃ならOKというように、特定銘柄やラベルだけでは中々判断できない場合が多いのが現状です。お燗用の一万円の大吟醸も存在しますので、まずはしっかりした専門店の店員さんや、飲食店さんに聞くのが吉。
また、お燗の温度も様々で、こんなにあります。面倒くさいですね(笑)
こちらも特に決まりはありません。蔵元さんや飲食店さんのオススメの温度を試したり、自分のお気に入りの温度帯を見つけるのもお燗酒の楽しみ方です。せっかくなので酒器にもこだわるとより一層楽しめます。中には自作する人も!
お酒が若くて炭酸ガスをピリッと感じるような場合は、酒瓶を振って炭酸ガスを抜いて空気となじませると柔らかくて美味しいお燗になる場合もあります。ワインようにデキャンタージュするのもひとつの方法ですね。
世間は忘年会シーズン真っ只中。「いい酒だから冷やでも燗でも大丈夫なんだぞ!!」と、たいして美味しくないような気が実はしているのに、お気に入りの香りプンプン大吟醸のお燗を得意げに進めるようなオヤジになって嫌われないようにご注意ください☆