弊社は、今期令和2酒造年度より創業180周年目の造りを11月から開始し、無事に新酒を出荷する事が出来ました。
節目の年でしたので記念式典の開催等、記念に何か出来ないかと検討いたしましたが、コロナ禍では難しいと判断し、
今回の簡単なお知らせとお客様への周知を図るための商品への首掛けのみとさせて頂くことといたしました。
また、ご案内が遅くなりました事、お詫び申し上げます。
弊社は、1619年(元和5年)に設置された奥州街道有壁宿に宿駅として創設された有壁本陣より分家し、1840年
(天保11年)に酒造業を創業いたしました。1897年(明治30年)に経営者の死去等により一旦酒造りを中止し、
その後1923年(大正12年)に現蔵元の曽祖父 佐藤曜三郎が会社化して酒造りを再開いたしました。
1943年(昭和18年)戦時の企業整備で不服ながら廃業を余儀なくされたものの、戦後第一次復活措置によって1948年
(昭和23年)に免許の再交付を受けて酒造りを復活させました。
その後、戦後の経済成長により宮城県内の日本酒生産量も増えて行きましたが、他の酒類の台頭や消費者の趣向の変化等
によって和40年代後半をピークにその後は減少の一途を辿ります。更に先代佐藤有一がまだ学生の時に当時の社長であった
祖父が若くして亡くなったため、父の助けを借りて衰退するこの時代にもなんとか銘柄を維持して参りました。
そして、比較的小規模の酒蔵が多かった宮城県は、大量生産による他府県の大手に対抗すべく、1986年(昭和61年)に
県産米を使用した純米酒造りを通して酒質の向上を目指すために「みやぎ純米酒の県宣言」をし、高品質化にシフトしました。
これまで先人の様々なご苦労があり、その結果、現在では特定名称酒比率が90%を超える(全国平均は約30%)までになり、
名実ともに全国トップクラスの高品質な日本酒生産地となりました。
弊社も先代からいち早く高品質な純米酒造りに取り組み、30年以上前から美山錦の純米大吟醸造りを続け、現在は生産量の
ほぼ全てを純米酒系が占めるまでになり、今日に至ります。
~ 近年の出来事 ~
2002年(平成14年)現代表 佐藤曜平が東京農大を卒業して蔵に戻る
2006年(平成18年)高齢だった南部杜氏の引退を機に、家族での酒造りに切り替え
2007年(平成19年)佐藤有一 代表取締役就任
2008年(平成20年)岩手宮城内陸地震によって被災
2011年(平成23年)東日本大震災によって被災 新工場建設へ
2012年(平成24年)新工場完成 秋より酒造り開始
2017年(平成29年)佐藤善之 一級酒造技能士資格取得
2018年(平成30年)佐藤善之 南部杜氏資格取得
2019年(令和元年) 佐藤有一 代表取締役退任 佐藤曜平 代表取締役就任
これまで支えて下さった皆様方に対しまして、蔵元、蔵人一同から心より感謝申し上げます。
これまでの180年からこれからの180年へ、日本酒業界のより良い未来に向けて、私達は進んで参りたいと思います。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
写真は昭和30年頃の萩野酒造